角筒の家
京都 / 日本
2019
角筒の家
敷地は京都の住宅地。伝統的な街並みの市街地というわけではなく、周囲は一般的な住宅や古い木畳の住宅、中層のマンションなどが混在している。北と西には、高さ500メートルの山、南と東は街。3階より上は眺めがよい。
この建築は、コンクリートの角筒を2列、4段積み上げたデザインだ。デザインの手法としては、横にも上にも永遠に積み上げられる。今回は住宅なので、3段にフェイクの1段を上に加えて、4段とした。横には、この住宅に適切な大きさを検討して、2列。単純な方法のデザインだが、内部の空間の快適性と、この角筒のサイズがちょうどぴったりとあった。
1段目/1階はエントランス(玄関のドアから建物の奥につながるまで通り抜ける空間だ。筒のセンターにこの家のシンボルツリーであるもみじを配置している)、2段目/2階は2列とも寝室(寝室が3室とWIC,それぞれの寝室が大きな窓と面するデザインである)
3段目3階は2つの筒が内部で一体になって広い空間をつくる。4段目(4階)はこの筒の積み上げのおわりを表現するために、フェイク(窓だけ)だ。
角筒は正面からみると、重なることなく、(実際には15mm離れている)、積みあがっている。上下で位置をずらして重ねるので、角筒はキャンチレバーのデザインだ。2段目は5.5メートル、3段目は3.6メートルのキャンチレバーとなっている。
角筒の形がそのまま構造体である。なので、切り口(窓)の部分の構造はフリーだ。
3階の上、つまり、屋根に大きな2mの正方形の開口(トップライト)を2つあけた。トップライトの中心は、角筒の中心である。この2つのトップライトの光は、1日の時間の変化、季節の変化によって、色、位置がかわる。そのトップライトの上はプールになっている。だから、その開口から入る光は、水のゆらめきとともに内部にも光のゆらめきをつくる。そして、リビングからは4階を泳いでいる人をみることができる。
4段目の角筒はフェイク(この中に空間があるわけではなくて窓になっているだけ)だが、このフェイクから街の風景を切り取り、屋上からの眺めを象徴的なものにしている。
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設計:イースタン建築設計事務所
所在地:京都
敷地面積:236.64m2
延床面積:522.10m2
用途:専用住宅
構造設計:株式会社村田龍馬設計所
施工:株式会社 深阪工務店
写真:鳥村鋼一
完成:2019年